「CPAが少しずつ上がってきた」「獲得が頭打ちしてきた」
こうしたご相談をいただく時、既存の代理店やインハウスでの運用において、「運用が上手くいっていないんじゃないか」「クリエイティブの制作数が足りないのではないか」というお話しをされることがあります。
その判断は自然だと思いますし、そうである可能性もあると思います。
一方で、運用手法を変えてみたり、クリエイティブの制作量を単に増やすことで状況が改善しないことがあります。代理店にクリエイティブ数を出させて検証を回したり、代理店自体を変えて新しい代理店を稼働し検証予算を増やす。そういったサイクルを繰り返すも、一時的には上手くいくことはあっても、なかなか継続的なブレイクスルーは起こりません。
最後に広告に使う素材を
アップデートしたのは、いつですか?
意外と見落とされがちなのが、広告に使う素材です。実は、いま広告の伸びしろが最も大きく残っているのは、運用でも制作でもなく素材であるケースは少なくないと思っています。
広告の検証予算を増やすよりも、お金をかけて撮影を行って素材を刷新することで効果改善を狙える。そしてこれは私たちの感覚ではなく、Meta自身がデータとともに言い続けていることでもあります。
運用は自動化され、制作はコモディティ化していく。最後に差がつくのは素材であり、素材だけが模倣されず、投資した分だけ差が開きます。この記事では、なぜそう言えるのかを、料理の比喩を通じて整理します。
広告は、料理でありデパートの出店でもある
この記事では、広告を料理に喩えて話を進めます。もう少し広げると、デパートに出店することにも近いと考えています。
広告を出すことは、デパートの中にお店を出すようなものです。デパートの中には、さまざまな目的を持ったお客さんが回遊しています。その中から、自社商品の潜在顧客に足を止めてもらわなければなりません。動画の冒頭フックやキャッチコピーは、そのための看板であり呼び込みです。
「これは自分に関係がありそう」「少し見てみたい」——そう思ってもらい、まず足を止めてもらう。そのうえで商品の特徴や魅力、価格を伝え、購入につなげていく。これが広告の一連の流れです。
この比喩を、この先ずっと使っていきます。
広告の打ち手は、4つの階層に分かれる
広告改善の打ち手は、大きく4つの階層に整理できます。
この4つは、いま置かれている状況がまったく違います。順に見ていきます。
LAYER 01
戦略:ここがずれていたら、以降はすべて意味がない
まず戦略です。Who / What の設定、コンセプト、訴求軸。どんなに美味しい料理でも、ターゲットが求めていなければ意味がありません。まずは自分たちのターゲットが食べたいものを考えることからです。
カレーが食べたいと分かってはじめて、にんじんやじゃがいもを買いに行くことができます。逆に、冷蔵庫にあるものから考え始めると、その人が本当に食べたかったものには辿り着けません。
順序で言えば、こうです。
食べたい料理を決める
具材を集める
この順序が守られているかどうかが、すべての前提になります。誰に食べてもらうのかも、その人が何を食べたいのかも決まっていない状態で、どれだけ良い具材を仕入れたとしても、ターゲットが欲しい料理は出てきません。「良い食材を使った、誰も頼んでいない料理」ができるだけです。
成果が伸びない案件の一定数は、ここが原因です。素材の前に、まずWho / Whatとコンセプトを疑ってみてください。
そのうえで、ここが合っているのに頭打ちしているというケースが、実際には非常に多いと感じています。この記事は、そちらの話です。
戦略がずれていれば、素材の議論は成立しない。まずWho / Whatとコンセプトを疑う。
LAYER 02
運用:プラットフォーム自身が、腕の介在余地を消している
ここ数年、広告プラットフォームがやってきたことを一言でまとめるなら、「運用の腕を、不要にすること」だと思います。
ターゲティングの手動設定は自動化され、入札は機械が握り、配信面の割り振りも最適化に吸収されました。Advantage+ にせよ P-MAX にせよ、思想は同じです。人が細かく触るほど成果が落ちる設計へ、意図的に寄せてきています。
Advantage+ はMeta、P-MAX(パフォーマンス最大化キャンペーン)はGoogleが提供する自動化型のキャンペーンです。どちらも配信先やターゲティングの大部分をAIに委ね、広告主は素材と目標を渡すという設計になっています。
Meta側の説明も明確です。かつてはマーケターが「30代男性にはこのバナーを」と手動で設定していたけれど、いまはクリエイティブ素材さえあればAIが誰に何を出すべきかを自動で判断する。Facebook Japanの担当者が、公の場でそうした趣旨のことを述べています。
これは代理店にとって都合の悪い話です。それでも、事実として認めるところから始めるべきだと思っています。
運用のノウハウは流通し、ツールに吸収され、いずれ標準装備になります。数年前まで差別化要因だったものが、いまは誰でもできることになっている。この流れは止まりません。
運用の自動化は、プラットフォーム側の意思。人の腕で差をつけ続ける前提そのものが崩れている。
LAYER 03
制作:ノウハウは流通し、競合の料理は全部見えている
では制作はどうでしょうか。LP、記事LP、クリエイティブ。ここも、思っている以上に差がつきにくくなっています。理由は2つあります。
ひとつは、ノウハウがすでに世に出ていることです。LPの構成にも、動画の型にも、フックのつくり方にも定石があります。定石は記事になり、セミナーで共有され、平準化していきます。「作れること」自体は、もう差になりません。
もうひとつは、競合が作ったものが、そのまま見えることです。Metaの広告ライブラリを開けば、競合がいま配信している広告は全部見られます。TikTokにもCreative Centerがあります。どの訴求を、どの構成で、どんな見せ方で回しているのか。長く配信されているものは当たっている、という推測まで立ちます。
しかも他店の料理は覗き放題。
この条件で、料理の腕だけで差をつけ続けるのは、相当に難しいと思います。制作は必要です。ただ、制作が差別化要因である時代は終わりつつあります。
定石は共有され、競合の中身は広告ライブラリで丸見え。「作れること」自体はもう差にならない。
LAYER 04
素材:だから、残った変数は素材だけ
ここに逆説があります。機械学習による最適化は、与えられた素材の範囲内でしか働きません。どれだけ賢くなっても、手元にない選択肢は選べないからです。
運用が自動化され、制作がコモディティ化していくほど、他の変数は潰れていきます。そして最後に残った変数、つまり入力される素材の差が、そのまま結果の差として出てくることになります。
素材の価値を上げている。
そしてこれは、代理店の仕事の中身が変わったということでもあります。運用で差がつかないのであれば、代理店の仕事はクリエイティブになります。
実際、いま成果を左右しているのはアカウントの触り方ではなく、何を作って入れるかです。クリエイティブの重要度は、かつてないほど上がっています。そのクリエイティブの中で、最も差別化が効くのが素材です。訴求も構成も編集も真似されますが、素材だけは真似されません。クリエイティブが主戦場になったいま、勝負どころは素材に集約されていきます。
自動化が進むほど、他の変数は潰れ、素材の差がそのまま結果の差になる。
Metaは7年以上前から「多様性」と言い続けている
これは私たちの主張ではありません。Meta自身が長年言い続けていることです。
Metaの公式ベストプラクティス「Performance 5」には、5つの柱のひとつとして「クリエイティブの多様化」が入っています。そしてFacebook Japanの担当者は、これは社内で7年以上前から言われ続けているテーマだと述べています。
広告セットのCPA改善率
リーチ率の伸長
動画を追加した際のCPA改善
出典:Meta検証データ(2021年)/詳細は記事末に記載
Metaが定義する多様性は、2つの軸で語られています。ひとつはフォーマットの多様化。動画か静止画か、スクエア(1:1)か全画面(9:16)か。もうひとつはメッセージの多様化。機能を訴求するのか、価格の得を推すのか、情緒的なストーリーを語るのか。
そして最も重要なのが、なぜ効くのかというメカニズムの説明です。
似たものは「同じもの」として扱う。
同じようなバナーばかりを入稿すると、限られたユーザー群にばかり配信が続き、リーチも獲得効率も頭打ちになる。逆に、明確に異なるバリエーションを入稿すれば、AIは「別のアプローチ」だと認識し、これまで届かなかった層まで探しにいく。だからCPAが下がり、獲得数が増える。これが、多様性が効くメカニズムです。
多くの現場が取り違えているのは、ここです
このメカニズムを読むと、気づくことがあります。「バリエーションを増やす」の意味が、現場とMetaとで食い違っている。
- カットを差し替える
- テロップを変える
- 尺を詰める
- 順番を入れ替える
- フォーマットが違う(動画/静止画、比率)
- メッセージが違う(機能/価格/情緒)
- 登場人物が違う
- シナリオそのものが違う
多くの現場で「クリエイティブのバリエーションを増やす」と言われているのは、左側の作業です。制作本数のレポートには、本数として並びます。しかしMetaのAIから見れば、それらは「同じもの」です。映っている人物が同じ、トーンが同じ、メッセージが同じであれば、何本作っても新しい層は探しに行ってもらえません。
料理でいえば、同じ具材で違う料理を作っている状態です。手を替え品を替えても、食べればわかります。どこか同じ味がする。そしてMetaのアルゴリズムは、まさにそれを検知しています。
素材が同じである限り、編集で作れる差には天井があります。この天井に当たった状態こそが「頭打ち」です。必要なのは、レシピの工夫ではありません。違う具材の調達です。
ここを取り違えたまま制作本数だけを増やすと、コストは増えて成果は動かない、という最も避けたい形になります。本数の話ではなく、具材の種類の話です。
編集違いは、多様性としてカウントされない。増やすべきは本数ではなく、具材の種類。
冒頭フックだけでは、店の前を通り過ぎられてしまう
ここで、デパートの比喩に戻ります。媒体によって、素材の見られ方は異なるからです。
Metaは、配信の「前」に判断しています。MetaのAIは配信前にクリエイティブの中身を解析し、誰に出すかを決めます。素材そのものが、そのままターゲティングの機能を持っているということです。
TikTokは、配信の「後」の行動で判断しています。TikTokで最も重いランキングシグナルは、視聴時間と完視聴率だとされています。キャプションや画面上のテキストも見られますが、いいねやコメントより「最後まで見られたか」のほうが重く扱われます。
| 判断のタイミング | 主な判断材料 | 素材に求められること | |
|---|---|---|---|
| Meta | 配信前 | クリエイティブの中身の解析 | 他と明確に違うと認識される素材 |
| TikTok | 配信後 | 視聴時間・完視聴率 | 最後まで見られる構成 |
よく「冒頭の3秒が命」と言われます。デパートで言えば、看板や呼び込みにあたる部分です。ユーザーの注意を取るという意味では、その通りだと思います。看板がなければ、そもそも店の前で足を止めてもらえません。
ただし、冒頭を差し替えることが、バリエーションを増やすことにはなりません。看板の文字だけ変えても、店の中身が同じなら常連にはすぐバレます。Meta側では同じ素材と判定され、TikTok側では最後まで持たずに離脱される。看板の工夫だけでは、店の前を通り過ぎられてしまうのです。
結局、どちらの媒体でも求められるものは同じです。シナリオごと違う、別の素材。語り系とライブ配信風とVlog風を並べるのは、見た目に変化をつけるためではありません。シナリオそのものが違うからです。
ありもので作れる料理にも、限界がある
素材が特別なのは、2つの性質を同時に持っているからです。ひとつは、模倣できないこと。運用設定も、訴求の切り口も、構成も、見れば真似できます。広告ライブラリを開けば全部見えます。しかし、同じモデル、同じ空気感、同じ生活の質感を持った素材は、他社には用意できません。ここだけが、明確に自社固有のものになります。
もうひとつは、量がそのまま打ち手の数になること。入札調整を10倍の回数やっても、成果が10倍になることはありません。しかし素材は、10種類増やせば10種類分の検証ができます。素材だけが、投下量と検証量が比例する階層です。
素材は、投資した分だけ差が開く領域。
ただし、手元にある素材だけでも、編集や構成、テロップ、冒頭フック、見せ方を変えることで、複数のクリエイティブを作ることはできます。実際、ありものの素材を組み替えて成果につなげることも十分に可能です。限られた素材から成果を出すことも、制作力のひとつです。
ただし、それだけを続けていると、いずれ限界が来ます。同じ出演者、同じ表情、同じ使用シーン、同じ商品カット、同じ口コミしかなければ、編集方法を変えても、作れるクリエイティブの幅は徐々に狭くなっていきます。
料理でいえば、同じ食材を使って、味付けや盛り付けだけを変えながら、新しい料理を作り続けているようなものです。最初は違う料理に見えても、いずれ似たものばかりになります。
作りたい料理から、具材を逆算する
いま多くの現場でやっているのは、具材から料理を作るやり方です。過去の撮影で撮りためたカットがある。使える素材を並べて、そこから何が作れるかを考える。冷蔵庫の中身を見てから献立を決める、ありあわせの料理です。
実感として、最初に集めた素材のまま何年も戦っている現場は驚くほど多いと感じています。ローンチ時にまとめて撮った素材が在庫としてあり、その後は編集と訴求の組み替えだけで回している。運用や制作は毎月見直されるのに、素材だけは初期のまま更新されていない、という状態です。
ありあわせでも、腕がよければそれなりのものはできます。ただ、本当に作りたかった料理にはなりません。順序が逆だからです。本来は、作りたい料理を決めてから、そのための具材を調達する。
「この人に、この訴求を、この見せ方で届けたい」が先にあって、それを成立させるために何を撮るかを決める。この順序で回っているとき、素材ははじめて狙って効きます。
ではなぜ、多くの現場が逆になってしまうのか。答えは単純で、撮影のサイクルがないからです。撮影が年に数回しかなければ、日々の運用は手元の在庫で回すしかありません。ありあわせにならざるを得ないのです。
定期的に撮影する必要があるのは、素材の本数を増やすためだけではありません。逆算できる状態を保つためです。そしてもうひとつ。単発で30本まとめて撮る、というやり方では学習が閉じません。撮って、配信して、何が効いて何が滑ったかがわかる頃には、次の撮影は半年後。得られた示唆が、次の具材に返らないからです。
必要なのは、量ではなく頻度です。ここまで来てはじめて、素材は「制作物」から在庫に変わります。
ここでもう一つ、整理しておきたいことがあります。ありものの素材を使うこと自体は、悪いことではありません。問題は、それに慣れすぎることで「お客さんに何を見せるべきか」ではなく「今ある素材で何を作れるか」から考えるようになることです。
本来の順番は、こうです。
- お客さんの悩みや欲求を理解する
- どんな広告なら反応してもらえるかを考える
- 必要な人物、場面、言葉、表情、商品カットを決める
- 足りない素材を調達する
- クリエイティブを制作する
ところが、ありもの起点の制作が習慣になると、順番が逆転します。
- 手元にある素材を確認する
- その素材で作れそうな企画を考える
- 後から訴求を当てはめる
- 誰かに刺さることを期待する
これは、冷蔵庫にある食材から料理を決めること自体が悪いのではなく、それしかやらなくなることで、お客さんが食べたいものを考えなくなるという問題です。だから素材調達には、二つの価値があります。
- 使える具材が増える
- 作れる料理の種類が増える
- 調達のたびに「誰に何を届けたいか」を問い直す
本筋はあくまで前者です。ただ、後者もおまけとして小さくない効果だと感じています。
撮影サイクルがないから、ありあわせになる。定期撮影は本数のためだけでなく、顧客起点の思考を保つためでもある。
逆算するのは、一皿ではなく献立
ただし、逆算といっても一品ずつ思いつきで企画するわけではありません。それでは頻度が上がらないからです。逆算するのは料理ではなく、献立です。
(語り系/ライブ配信風/Vlog風/レビュー風)
× 訴求軸 × モデル
この組み合わせで何を作るかを先に設計し、そこから必要な具材を洗い出して、まとめて買い出しに行く。だから隔週というサイクルで回すことができます。この形にすれば、モデルを1人足すだけで検証本数は数十本単位で増えます。素材は足し算ではなく、掛け算で増える。
そしてこの設計は、Metaが言う多様性の2軸にそのまま対応しています。フォーマット軸が「フォーマットの多様化」、訴求軸が「メッセージの多様化」。AIが別物として認識する単位で、意図的に素材を散らす設計になっている、ということです。
もうひとつ、実務上の理由もあります。広告は、何が当たるかを事前に言い当てられません。だからこそ一皿を狙い撃ちするのではなく、当たりうる料理を献立として並べて、まとめて検証する。逆算と検証が矛盾せずに両立するのは、この単位で考えたときだけです。
素材をどう増やすか:AIと実写
ここまで、なぜ素材を継続的に調達すべきかを見てきました。最後に、その調達方法についても触れておきます。
最近では、生成AIによって、それなりにリアルな画像や映像を作れるようになりました。これまで撮影が必要だった素材の一部を、AIによって低コストかつ短期間で作れるようになっています。仮説検証用の人物や生活シーン、撮影が難しい場所や状況、冒頭フック用の短い映像、説明用のイメージや図解。こうしたものはAIを活用することで増やせます。
AIで新しく作れるもの、AIで代替できるものは、積極的に活用したほうがいいと考えています。素材調達の方法が増えることは、そのままクリエイティブの多様性を増やすことにつながるからです。
ただし、AIによってリアルなモデルを起用した撮影が不要になるわけではありません。現段階では、AIで作った素材には、表情、動き、生活感、商品の扱い方などに、まだAIらしさや作り物らしさが残ることがあります。そして、AI素材が増えるほど、リアルな素材の価値は、むしろ高まっていくと考えています。
- 仮説検証用の人物・生活シーン
- 撮影が難しい場所・状況
- 冒頭フック用の短い映像
- 説明用のイメージ・図解
- 本当に人が出演している実感
- 本当に商品を使っている実感
- 本人の言葉で話している信頼感
- 自然な表情・反応、生活の中の偶然性
AIによって整った素材を大量に作れるようになるほど、生身の人間が持つ偶然性、生活感、信頼感、使用実感が希少になるからです。したがって、AIかリアル撮影かの二択ではありません。AIで効率的に増やせる素材はAIで作り、リアルでなければ出せない信頼感は実写で作り、両者を組み合わせてクリエイティブの幅を広げる。この考え方が必要だと思っています。
AIが増やすのは素材の「量」。実写が担うのは、AIには作れない「信頼感」という質。
説得ではなく、夢中
最後に少しだけ、根っこの話をさせてください。運用の精度で成果を出すという発想は、突き詰めると「いかに効率よく届けるか」です。押し出す力だと思います。
一方で素材は、「届いた先で、見たいと思ってもらえるか」の勝負になります。引き寄せる力です。語り系やライブ配信風、Vlog風のフォーマットが効くのは、広告に見えないからではありません。見たいと思える形をしているからだと思っています。
人は、押し出されたものよりも、自分から見に行ったものに動かされます。どれだけ精緻に配信しても、届いた先の素材が「見たいもの」でなければ、それは押し付けにしかなりません。逆に、見たいと思える素材があれば、多少の配信の粗さは覆ります。
素材への投資は、効率の話であると同時に、この向きの話でもあると考えています。
まとめ
長くなったので、要点を整理します。
- 戦略が合っていることが大前提ターゲット → 食べたい料理 → 必要な具材。この順序を逆流させない。
- 運用は、プラットフォーム自身が腕の介在余地を消している自動化はプラットフォーム側の意思であり、この流れは止まらない。
- 制作は、ノウハウが流通し、競合の中身も丸見え定石は共有され、広告ライブラリを開けば他社の打ち手は確認できる。
- 残った変数は素材だけ自動化が進むほど、素材の差がそのまま結果の差になる。
- MetaのAIは似た素材を「同じもの」と判定する編集違いは多様性としてカウントされない。増やすべきは具材の種類。
- 具材から料理を作るのではなく、作りたい料理から具材を逆算するそのためには、撮影が定期的に回っている必要がある。
- AIと実写は二択ではないAIで増やせる量と、実写でしか出せない信頼感を組み合わせる。
広告が頭打ちになったとき、疑うべきはアカウントではなく、素材の供給ラインです。そこが細いまま運用だけを磨いても、戻る幅はたかが知れています。
私たちが隔週でモデル撮影を回しているのも、この考え方に基づいています。
本文中のMetaの数字およびメカニズムの説明は、Facebook Japan合同会社の担当者が公開インタビューで述べた内容に基づきます。CPA約32%改善/リーチ率9%伸長は2021年のMeta検証データ、静止画への動画追加によるCPA平均17%改善も同氏の発言によります。
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