CREATIVE TEAM

インハウス化

広告クリエイティブを内製化するには?企画・撮影・制作・改善の役割と体制

株式会社Sunday Park / 実務ガイド

広告クリエイティブを内製化するには、編集ソフトを使える人だけでなく、何を伝えるかを決める人、必要な素材を撮る人、表現を確認する人、結果を次の制作へ戻す人が必要です。つくる工程を社内へ移すだけでなく、制作を続けられる仕組みを整えるための役割と手順を紹介します。

CONC リンクルインジェクションの商品画像
株式会社ユーグレナ様CONC リンクルインジェクション
C COFFEE EQUOL & ISOFLAVONESの商品画像
株式会社MEJ様C COFFEE
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CONTENTS / この記事で分かること
記事の全体像を図で確認する
広告クリエイティブ インハウス化編集スキルに加え、企画・素材・承認・評価を一巡させる。仮説を決める必要素材を撮る広告に編集する結果を次へ戻す判断を記録
編集スキルに加え、企画・素材・承認・評価を一巡させる。説明用の概念図

内製化する範囲を、企画から改善まで分ける

クリエイティブの制作には、顧客理解、訴求設計、台本、素材の調達、撮影、編集、確認、媒体向けの展開、配信後の評価が含まれます。「動画を内製化する」という言葉だけでは、どこまで担当するか決まりません。現在の工程を分け、社内へ移す作業と外部へ残す作業を決めます。

すべてを社内で行う必要はありません。商品知識を活かす企画は社内、設備や出演者が必要な撮影は外部、軽い修正は社内という分担も考えられます。重要なのは、工程を渡す際に必要な情報が揃い、責任の空白がないことです。外注が残るから内製化が失敗したと考えないようにしましょう。

目的も明確にします。制作費を抑える、修正を速くする、商品知識を反映する、素材を社内に蓄積するなど、優先する目的によって最初に移す工程が変わります。制作本数だけを増やす目標では、検証する仮説や品質が置き去りになる場合があります。

必要な役割を、一人に集中させない

制作体制の役割と受け渡す成果物
役割担当する判断・作業次の工程へ渡すもの
企画対象者、伝える価値、検証仮説企画書・台本
素材・撮影必要な場面、出演、画角、権利素材と許諾の記録
制作編集、字幕、音、書き出し確認用と納品用データ
確認商品情報、表現、表示、条件承認・修正の記録
運用・分析配信と結果、次の優先順位素材ID別の評価と次の指示

一人が複数の役割を兼ねることはあります。ただし、同じ人が企画から最終確認まで全部を担当すると、思い込みや表示ミスを発見しにくくなる場合があります。重要な商品表現や条件は別の確認者を置き、修正の承認を誰が行うか決めます。

肩書より、工程ごとの時間を確保できるかを見ます。社内のデザイナーが他の案件で埋まっているなら、名前を担当表へ書いても制作は進みません。通常時と繁忙期に使える工数を確認し、必要なときに外部へ依頼できる範囲も用意してください。

01 / PRODUCTION ROLES考え方を図で整理

一人が兼務しても、役割は分ける

01

企画する

対象・主張・根拠を決める

指示書を渡す
02

つくる

撮影・編集・展開を行う

素材とデータを渡す
03

確認する

事実・権利・表示を確かめる

承認記録を渡す
04

評価する

条件と結果を読み取る

次の仮説へ戻す
重要な表現は別の確認者を置きます。

素材をつくる仕事と、編集する仕事。

CONCとC COFFEEの撮影素材を、社内の制作工程を考える参考として掲載します。これらは内製化支援の実績ではなく、制作物の実例です。

株式会社ユーグレナ様

CONC リンクルインジェクション

広告運用と、記事LP・モデル撮影・動画制作を支援。制作物をまとめて確認できる支援事例です。

担当範囲
広告運用・記事LP制作・広告動画用のモデル撮影・動画クリエイティブ制作
制作物・担当範囲を詳しく見る ↗
CONC リンクルインジェクション モデル撮影素材の静止画
広告動画用のモデル撮影素材/3秒・音声なし

株式会社MEJ様

C COFFEE EQUOL & ISOFLAVONES

「エクオールラテ」という訴求コンセプトを設計。広告運用、記事LP、撮影、動画制作まで支援しました。

担当範囲
訴求コンセプト設計・広告運用・記事LP制作・広告動画用のモデル撮影・動画クリエイティブ制作
制作物・担当範囲を詳しく見る ↗
C COFFEE EQUOL & ISOFLAVONES モデル撮影素材の静止画
広告動画用のモデル撮影素材/3秒・音声なし
  1. 台本の各行に、必要な人物・動作・商品の画を紐づける。
  2. 撮影済み素材を、使えるカットと不足するカットに分ける。
  3. 編集後の修正を、素材不足と伝え方の問題に分けて記録する。

掲載している商品説明・価格・キャンペーンは制作時点の内容です。掲載制作物だけから、配信成果や個別案件の費用を判断することはできません。

企画は、編集者へ渡せる指示書にする

企画書には、対象者の状況、解決したい疑問、主張、根拠、必要な映像、最後の行動を記載します。参考動画を渡すだけでは、どの要素を参考にするかが分かりません。冒頭の入り方、説明の順番、映像の見せ方など、参考にする点を言葉で示します。

検証したい仮説は一つずつ区別します。使用方法を見せると理解が進むか、比較の説明が不安を減らすか、対象者を冒頭に示すと反応が変わるかなどです。冒頭も中盤もオファーもすべて違う素材は、結果の違いが何によるか判断しにくいため、残す要素と変える要素を決めます。

制作指示書は完成後の答え合わせにも使います。見た目の好みだけで修正を重ねず、決めた相手と目的に合うか、必要な根拠と条件が表示されているかを確認します。記入項目を増やしすぎて使われなくならないよう、実際の案件一件で試し、制作側の追加質問から改善してください。

記入例:架空の折りたたみ傘を紹介する制作指示書
項目記入内容
企画ID・対象UM-01/通勤用の傘を選ぶ人
答える疑問バッグに入れるとどの程度の大きさか
主張と根拠収納時の大きさを見せる。寸法は商品仕様書の承認済み数値のみ使用
訴求収納時の大きさを確かめ、通勤バッグに入れる候補として判断できること。未確認の「準備が速くなる」は主張しない
レイアウト・説明順見出し→バッグへ収納する使用場面→仕様の確認→商品ページのCTA。比較する2案では冒頭以外の順序をそろえる
トンマナ落ち着いた実用感。商品とバッグの輪郭が見分けられる背景を使い、装飾で大きさを誤認させない
参考の使う点・変える点参考カットの「傘とバッグを同じ画角に入れる」方法を使う。自社商品と使用可能なバッグへ置き換え、他商品のコピーや寸法は引き継がない
撮影カットUM-S01:傘とバッグを同じ画角で撮影。UM-S02:収納→取り出しを一続きで撮影
固定する要素正式商品名・注意条件に加え、比較時の背景、商品色、字幕書式、誘導先の商品ページ
変える要素今回の比較では冒頭を商品単体からバッグ収納場面に変更。初稿作成時の背景色は提案可だが、比較開始前に1色へ固定
修正指示UM-S02の取り出し時に持ち手が隠れるため、手の位置を下げて再撮影。編集による拡大だけでは解決しない
承認・引継ぎ商品担当が寸法表記、制作担当が可読性、権利担当が利用範囲を確認。承認記録をUM-01へ保存

上表は実案件の指示書ではありません。自社で使うときは、商品名・主張の根拠・素材ID・担当者を置き換えます。変更理由まで書くことで、編集者が見た目だけで修正の優先順位を決めずに済みます。

撮影は、編集で必要な場面から逆算する

撮影では、商品単体、手に持つ場面、使い方、人物の表情、比較の対象など、台本を成立させる素材を先に洗い出します。雰囲気のよい映像を多く撮っても、説明したい動作や商品が見えなければ編集で補えないことがあります。撮影カットと台本の対応を確認しましょう。

スマートフォンで撮る場合も、音声、光、背景、ピント、商品ラベルの見え方を確認します。広告の字幕やボタンが重なる位置を考え、被写体の周囲に必要な余白を残します。完成映像だけでなく、字幕のない元映像や別の画角を残すと、後の媒体展開を検討しやすくなります。

出演者、撮影場所、音源、写真には利用条件があります。広告用途、媒体、期間、地域、編集、二次利用、契約終了後の扱いを確認し、素材台帳と紐付けます。社内で撮った素材でも無条件に使えるとは限りません。口頭の了解だけに頼らず、利用範囲が分かる記録を残してください。

撮影の段階で商品情報が変わる可能性があるなら、価格や限定条件を映像へ固定してしまう前に確認します。後から差し替えられる文字と、撮り直しが必要な映像を分けて考えると、改定時の負担を把握できます。

編集は、繰り返せる部分と仮説を分けて標準化する

字幕の基本書式、音量確認、ファイル形式、素材ID、確認用の書き出しなどは標準化しやすい部分です。毎回同じ確認を一から行わずに済むよう、制作前のチェックと納品前のチェックを用意します。ただし、台本や訴求まで一つの型へ固定すると、別の顧客の疑問を試しにくくなる場合があります。

同じ素材から冒頭や説明の順番を変える場合、どの仮説のバリエーションか分かる命名とIDを付けます。サイズ違いの書き出しと、訴求が異なる新しい広告は別に数えます。「今月何本作ったか」だけでなく、何を検証できる状態になったかを制作の進捗として確認しましょう。

TikTokの公式クリエイティブガイドには、縦型画面や表示領域などの制作上の案内があります。各媒体の現行仕様に合わせて確認し、完成した一つのデータを無確認で全部の媒体へ流用しないようにします。画面の比率が同じでも、字幕やUI、音源の利用条件は別途点検が必要です。

品質確認は、好み・事実・動作を分ける

レビューでは、好みの議論と必須の修正を区別します。商品仕様、価格、期間、広告表現、素材の権利、リンク先の一致は、公開前に確認する項目です。字幕の位置やテンポを検証したい場合は、仮説として残し、必須修正とは別に扱うと判断が進みやすくなります。

確認の段階も分けます。企画時に主張と根拠、台本時に説明の順序、初稿時に映像と音、納品時に表示とリンクを確認します。最終稿で初めて商品担当に見せると、大きな撮り直しが起きる可能性があります。承認者と確認の期限を制作開始前に揃えてください。

差し戻しには、場所、理由、必要な変更を記載します。「違和感がある」だけでは制作者が解釈する時間が増えます。事実が誤っている、意図が伝わらない、読み切れないなど、何が問題かを具体化します。変更後には該当箇所だけでなく、前後のつながりや字幕のずれも再確認しましょう。

UM-01の背景色に意見が出たら、制作担当がトンマナの範囲で修正案を出します。商品名や注意条件の省略は商品担当へ戻し、冒頭以外の説明順まで変える案は企画担当が検証条件を確認します。制作担当が変えられる部分と、別の承認が要る部分を、指示書の固定・変更可の欄で判断します。

制作をつなげる例:CONCの広告・記事LP・撮影

株式会社ユーグレナ様の「CONC リンクルインジェクション」では、Sunday Parkが広告運用、記事LP制作、広告動画用のモデル撮影、動画クリエイティブ制作を支援しました。公開事例の撮影素材から、制作の受け渡しを具体的に見てみます。

下は実素材の冒頭3秒・無音プレビューです。制作時の商品説明を含みます。観察できるのは映像に写る内容までで、制作時の内部指示書、配信先、効果、組織体制は確認していません。

CONCの箱と本体を手にして正面を向く人物の3秒撮影素材
観察:人物が箱と本体を並べて持つ。設計仮説:商品と人の大きさの関係や外観を一緒に示せる。読者の判断:商品紹介の台本なら、両方のラベルが読める元映像を撮影担当へ依頼する。
CONCの本体を目元付近へ当てる動作を写した3秒撮影素材
観察:顔の寄りで本体を目元付近へ動かす。設計仮説:静止画では伝えにくい持ち方・使用動作を示せる。読者の判断:使用手順を説明する台本なら、手で先端が隠れないカットと説明用の余白を準備する。

この二つは「商品を見せる」と「動作を見せる」で役割が異なります。編集者へ渡す前に、どの疑問に答えるカットかを素材IDへ紐付ければ、追加撮影と再編集のどちらが必要かを判断しやすくなります。

素材台帳を、制作と配信の共通言語にする

素材台帳には、素材ID、撮影日、商品、使用場面、出演者、利用条件、元データの場所、関連する広告IDを記録します。素材が見つからず毎回撮り直す、同じ映像を別名で保存し続けるといった無駄を減らすためです。許諾の終了が近いものや、商品情報が古いものも分かるようにします。

配信後の数字は、編集データや台本へ戻れる形で整理します。広告名が変わっても素材の関係が追えるよう、IDを固定しておきます。結果だけでなく、配信条件、対象期間、変更点を記録し、別の条件の数字を単純に比較しないようにしてください。

改善会議には制作担当も必要な範囲で参加します。「この広告が良かった」で終わらず、何を理解してもらえた可能性があるか、何が未確定か、次にどんな映像が必要かを話します。制作側が数字をすべて分析する必要はありませんが、次の指示の理由が分かる状態にします。

03 / ASSET RECORD考え方を図で整理

素材と結果を、同じIDでつなぐ

01

素材

撮影日・商品・場面・保存先

元データへ戻る
02

許諾

媒体・期間・広告用途・編集範囲

使える条件を確認
03

広告

台本・変更点・配信ID

何を試したか分かる
04

評価

期間・条件・結果・次の疑問

次の制作へ引き継ぐ
実績値を並べるだけでなく、条件と変更理由を残します。

工数を測り、外部へ残す工程を選ぶ

内製化を試す際は、一件の企画から配信後の評価までを通して行い、実際の時間を記録します。制作時間だけでなく、商品確認、素材探し、承認待ち、修正の往復、書き出しも含めます。初回は学習時間が多くなるため、通常作業と準備の時間を分けて見ます。

定期的に発生し、自社の知識が活きる工程は内製の候補です。高額な設備が必要、頻度が低い、特定の専門性が必要、繁忙期に集中する工程は外注を残す候補になります。ただし会社の状況で答えは変わるため、一般的な本数や人数をそのまま基準にしないようにしましょう。

外注を使う場合は、品質基準と受け渡す資料を揃え、社内の制作と同じ台帳で管理します。納品物だけ受け取ると、素材の利用条件や編集の経緯が抜けることがあります。次の修正や媒体追加へ使える範囲を契約時に確認してください。

最初の一巡を回してから、対象を広げる

始める際は、扱う商材、媒体、制作形式を絞ります。企画、撮影、編集、承認、配信、結果の確認を一巡し、止まった場所を直します。最初からすべての形式や媒体を社内へ移すと、何が不足しているか分からないまま仕事が積み上がりやすくなります。

内製化の完了条件は、編集ソフトを使えることより、必要な素材を供給し、品質を確認し、次の仮説へ進めることです。担当者の不在時に代行できるか、許諾や元データが残るか、商品情報の変更を反映できるかも確認します。作る速さと、続ける仕組みを一緒に育ててください。

体制づくりはインハウス化支援、運用と制作を組み合わせた依頼は広告運用支援をご覧ください。相談時には、社内で担当できる工程と、制作が止まっている工程を分けて共有すると、必要な支援を検討しやすくなります。

最後に、台本と素材、確認記録を次の担当者が探せるかを点検します。短期的に制作が速くても、担当者の記憶だけに依存していれば引き継ぎは難しくなります。誰が参加しても同じ条件を確認できる保存と命名まで、内製化の仕事に含めてください。

Sunday Parkのインハウス化支援

当社のインハウス化支援は月20万円です。必要な制作等は別途費用で対応できます。運用担当者が判断できる範囲と、外部へ残す制作・計測などの仕事を先に決め、支援費と別途制作費を分けて見積もります。

2026年10月4日の事業者提示条件。税込・税抜、支援時間・回数・具体的な支援と制作の範囲は未指定のため、契約前に確認してください。広告運用代行に付く週5本無料制作を、インハウス化支援にも自動で含むとは扱いません。

参考情報・出典

株式会社Sunday Park

広告運用、ショート動画・記事LPの制作、モデル撮影、インハウス化支援を行っています。

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